20世紀ノスタルジア

説明会の帰りにneonが見たくて
原宿にあるKDDIのビルまで足を運ぶ。
もうinfoberは限界を通り越しているので
いい加減機種変します。
白だな、やっぱ。


ついでにせっかく原宿まで来たので
見てきました、表参道ヒルズ
さんざんテレビで見てたから
まああんまり何とも思わなかった。
道路に面した部分の店舗が、あまり
中に入ってみようという気を起こさせないのは
作りに問題があるのかなあ?
ちょっとしたギャラリーにしているところもあったけど
ふらっと立ち寄りにくい印象を受けた。
まあでも表参道にある店なんてどこもそんなもんか。


ヒルズの坂の上の方に、昔の同潤会アパートの再現みたいな建物が
取ってつけたように存在してて、その2階部分で展示をやっていた。
昔のアパートの写真とか、配置図とか、
表参道ヒルズの工事の様子とか、人々のメッセージとか。


でも確実にあのツタの絡まったアパートメントは姿を消していて
真新しい再現されたアパートは形だけでしかなくて
なんだか虚しさを覚えた。


同潤会アパートメントを初めて目にしたのは中学生の頃。
建物の中にある雑貨屋さんや洋服屋さんに入ってみた。
ツタが絡まっていて、コンクリートの重みが伝わってきて
エントランスの扉が青くて、古いけどおしゃれ、
古いから、おしゃれ。
雰囲気がすごくて、自分のようなださい子供が中に入るのは
悪いことをしているような、申し訳ない気持ちになる。
ものすごいツタの絡まり方で、
でもそれは何十年もそこに建ち続けている証で、
新しいものとは比べ物にならない趣があった。


結局足を踏み入れたのは片手で数えられる程度で、
でも横を通るだけで、ドラマの撮影で映っているだけで
とてもドキドキしたことを覚えている。


わたしは周辺住民でもないし
大体高校に入ってから渋谷原宿へ買い物に出かけることも少なくなったし
ましてや表参道を歩くことなんて全然なくなってしまったので
ほんとに最後に見たのがいつだか思い出せない。


でも、こうやってちょっとずつ、
いいなと思うものが消えていくのは、やはり寂しい。
変わらないものなんて何一つない。
100年後には誰かが、
表参道ヒルズの取り壊しに涙しているかもしれないのだ。
何かが生まれては消え生まれては消え、
普遍的なものは何一つ存在せず、でも
何かがなくなるときにはきっと
誰かが寂しさを覚えているのだろう。


20世紀ノスタルジア
というのは広末が主演だった映画のタイトルだが
まさに同潤会とは20世紀の遺産なのだろう。
誰かの郷愁を誘うような、
そんな戦後の日本の象徴。