八日目の蝉


角田光代
『八日目の蝉』
[rakuten:book:12011745:image]


犯罪を、犯す人犯さない人、
何かが圧倒的に違うようで、
でも紙一重なようで。


法律で裁かれないような罪を犯す人だってたくさん居て、
たとえば誰かの心をずたずたに傷つけるとか
裏切るとか、ばかにするとか、シカトするとか、
だけど法律で裁かれない罪を犯した人は犯罪者ではなくて
法に触れた人だけ裁かれる、
だからときどき、理不尽だってこともたくさん、ある。


犯罪者だって、ただの人間だから、
時々、ものすごくかなしくせつなく共感しそうになることがある。
犯罪を犯して、なおも逃げ続けてる人は、
今どんな気持ちで生きているんだろう。


この本のタイトル、
蝉「せみ」って読めなかった。
蠅「はえ」かと思った。
しかも
八月の蠅「はちがつのはえ
だと思ってた。
八日目の蝉「ようかめのせみ」
だった。


読んでるときも何回も、
八月の蠅「はちがつのはえ」だと思ってしまった。
一番はじめにそうだとおもっちゃったから、
なかなか脳みそ切り替えられない。


この小説のいちばん最後の一文を、
前にどこかで、読んだような気がするんだけど、
それが一体なんなのか、わからない。
他の作品に、似てる一文があったのか?
それともどっかで誰かが引用したのか?
はたまた盗用した何かを読んだのか?


それがきになってしまって、
いまいちラストに集中できなかった。