2択

 この本の主人公は自分だ、と思う人と
 そうでない人に、日本は二分される。

夏の新潮文庫の100冊、YONDA?*1の冊子の中の
太宰の「人間失格」の紹介文で、このように書かれていた。
ほう、
と一瞬思ったが、落ち着いて考えてみれば当たり前だと思う。
思うか、思わないかという質問だから答えは2通りしかない。
しかしこの世は2択では答えきれないことがたくさんある。
 善か、悪か
 白か、黒か
コインの表裏のように明確に答えられる質問なんて、案外少ないのかもしれない。


毎日新聞で、毎週月曜日にケータイで答えられる「日本のスイッチ*2
というコーナーがある。様々な質問に、2択で答える。
画期的だと思って、始まって2回くらい私もスイッチを押してみた。
だけど、だんだんスイッチを押せなくなってしまった。


どちらの答えも、私の意見に近くない


2択なんだけど、単純に 思う 思わない といった
簡単な問いかけではないものが多くて
うーん、まあ、どちらかといえば、こっちだけれども...
という微妙な質問が多いように思う。
これでパーセンテージを出されても、ほんとの答えは見えてこないんじゃないのかなー
と、思ってしまうんだけど、あたしってば、へそ曲がり?


羅生門で黒澤さんが描きたかった(と、思われる)
この世は善と悪だけじゃない、白と黒だけじゃない、
この世界はたくさんの灰色に溢れているってことが
2択じゃ表現しきれないような気がする。
そうすると冒頭の質問も
まあ、どちらかといえば私のような気もするし、うーんでもちょっと違うかも
という意見もあるわけで、
「日本は三分される」と書くべきなのかもしれませんね。
(うわーなんかださかっこわるい)