母に教えを乞う

久々のバイトで新宿を歩く。
なにせ7月になってから初出勤でした。
今日は土曜日で、どうやら3連休の初日らしい。
今日は忙しいかなーと考えつつ、新宿の地下道を進む。
三井住友銀行の前、今日も長蛇の列。
そう、これは母の教えを乞うものたちの群れ。


うらないを、信じない
目覚ましテレビの、今日のうらないカウントダウンは
ついていれば見るけれど、基本的に気にしない。
雑誌の占いのページも、読まない。
星座で私の何が分かるんだっていうんだい?


新宿には母と呼ばれるその道のプロがいる。
未来を見てもらうために、朝早くからみんな並んでいる。
横目でチラリ。数多くの人、それも大半が女性。
みんな思い悩んでいて、未来が不安で、誰かに諭してほしくって
今日もここに列ができる。


私だって自分の未来が気にならないわけではない。
うらないをイカサマだ!と思っているわけではない。
機会があれば見てもらいたいと思わないこともない。
たぶん、勇気がないのでしょう。
ズバリ言い当てられるのが恐いのでしょう。
今の自分が、嫌いだし、そのくせ自分に甘くて、いつまでも前進できない。
そういう駄目な自分を指摘されるのが恐いのでしょう。
未来とか分かるなら知りたいけど、たぶん
想像以下の未来が広がっている可能性が高くて、それを認めたくないのでしょう。
あとは私の高い高いプライドが、占いにすがるなんてみっともない、
そんなものなくったって、私はちゃんと生きていけるんだから!
と思っているからでしょうか。


もっと強くなれた時、自分を認められた時、未来を受け入れられる時
私も教えを乞うものの仲間入りを果たすことができるのでしょうか?


きっと来ないなー、そんな自分になれる日も、この列に並ぶ日も。
きっと未来の私も悶々と、この群れを遠くから眺めているのでしょう。
そしてただ淡々と、未来へ向かうのでしょう。