闇の中でみたもの



人に感動を伝えることはすごく難しい。
今日は広尾で開催されているD-HAUS*1の一環で行われている
ダイアログ・イン・ザ・ダーク*2というものに参加してきた。
これはまっくらやみを体験する展覧会。
各回7名ずつで、1時間、暗闇のなかを
視覚障害のある方に案内してもらう、ツアーのような展覧会。


視覚を奪われた世界では、聴覚をはじめとした
ほかの感覚が研ぎすまされていく。
会場内のいろいろなものを手で触って、においを嗅いで
それをみんなに声で伝えていく。
お互いに声を掛け合ってなんとか前へ前へと進んでいく。


全く赤の他人だった7名が、体験を終えた時にはもう
長いこと友達だったような錯覚に陥る。
声を掛け合い、互いの手を取り合い、
久しぶりに人とコミュニケーションした気がする。
人間は視覚にばかり頼っているけれど、
見た目だけで人のことを判断してしまうのって
ものすごくもったいないことだと強く感じた。


何を言っても、私のつたない日本語力じゃ
あまりうまく伝えられない気がする。
時間があれば、是非とも多くの人に体験してもらいたいと思う。
けど、前売りチケットは全て完売してしまったそうです。
当日券も若干あるみたいなので、お時間とお金に余裕があれば
というか、未来に借金してでも行く価値があると思う。
私は一人で参加したけど、誰か大切な人と参加しても、
その人の新たな一面が発見できて面白いかもしれない。


極度の人見知りで、人と仲良くなるのに1か月は要する私が
こんなに初対面の人とコミュニケーションできるとはなあ。
外見的コンプレックスから解放された私は
いつもより2割増しで、のびのびとしていた気がする。
一緒に参加した7人とは、お互いの愛称しか知らない。
年齢も職業も肩書きも、何も知らない。
そんなものなくてもコミュニケーションなんて簡単にできるし、
というより、そういったものがないからこそ
ものすごく素の自分で人と向き合えたのだと思う。


百聞は一見にしかずとはよく言ったものです。
闇だから実際目で見るわけじゃないけど
すごくたくさんいろんなことが見えてくると思う。
とにかくたくさんの人に体験してほしい。
そして、いろいろ語り合いたいと思った。