死なないための建築

今日はこちらへ行ってきました。

連続講演会
荒川修作を巡る徹底討論 第二夜
「意味のメカニズムから天命反転住宅へ」
ナビゲーター 馬場駿吉 (医師、美術評論家
ゲスト 佐藤雅彦慶應義塾大学教授)*1

三鷹の天命反転住宅完成をうけて
4夜連続で行われる今回の企画。
金銭的都合と、佐藤雅彦さんを一度ナマで見てみたいという
願望を達成すべく、迷わず第二夜に参戦。


医者であり、美術にも携わっていらっしゃる
荒川の良き理解者であると思われる馬場さんと
ピタゴラスイッチでお馴染みの、慶応のセンセー、佐藤さん。
こないだ銀座で行われていた「佐藤雅彦研究室展」*2
佐藤さんの考え方のプロセスのようなものをみて
想像以上にシステマティックで面白いなと思っていたので
実際にものをしゃべる佐藤さんを一目見れてよかった。
佐藤雅彦さんはなんというか想像通りの人で、面白かった。
佐藤さんと荒川との2つの出会いというのも興味深かった。


そして荒川はいつものごとく、
くだらない常識に縛られた我々には到底理解不能な持論を語り続ける。
私もくだらない教育で全く頭がおかしくなっているので
荒川の言わんとしていることの意味が理解はできないけれど、
少しでも理解したいと思わせるこの彼の価値観、なんなんだろう。


彼は死ぬのは法律違反だという。
死なないということはいったいどういうことなのか、
荒川のことを頭がイカれたおっさんだと言ってしまうのは簡単だけど
彼の行っていることを少しでも理解したいと思って聞いていると
なんだかほんの少しだけど、言わんとしていることが分からなくもない気がしてくる。
生きているということがどういうことかも分からないのに
どうして死ぬことができようか!という考えにはうむ、なるほどなと思う。
あの住宅に住んだ人がいったいどうなってしまうのか、
それを考えるだけでどきどきワクワクしてしまう。
9月末にビックサイトで行われた建築の展示会で、三鷹の家に使われている
バスタブが展示してあったのだが、そこに1分くらい立っていただけで
ぐらぐらと平衡感覚がおかしくなった。
あんな家に暮らしたら、本当に面白いことになりそう。
きっと進化する、人間はより良い方向に。


講演のあとで、青山ブックセンターで荒川が昔やった展覧会
「意味のメカニズム」の本を買う。
もう絶版になっているらしい。
佐藤さんも影響を受けたというこの本がどうしても欲しくて
はい、カード一括払いで衝動買いです。
初めてこんなに高い本を買ったよ。¥8,400
買ってから、あ、荒川の本を最後まで読めたためしがないのになあ
ということを思い出し、これも本棚で眠るだけかもな、
ってかこんな金があるなら4夜連続で参加して、
三鷹の住宅の内覧会に参加すればいいのに、と、自分に笑う。


捻挫した足を引きずり、重い本を持ち
満員電車で帰路に着く。


ところで
自分が荒川にたどり着いたのはなぜだったんだろうということを突き詰めていくと
結局お笑い好きということに行き着きます。
というわけで
松本人志様、ありがとう。(飛躍し過ぎ?)