ゲイジュツ


森美術館
アフリカリミックスを観に行った。(2回目)
美術館に着いたのがだいたい7時15分前くらいで、
7時からギャラリートークがあるというので
聞いてみることにした。



前回の感想で、
アフリカっていっても広いので
アフリカというくくりでまとめてしまうことって
いかがなものかしらと思ったんだけど
ギャラリートークを聞いてみると
やはりアフリカは広くて、
「アフリカのアート」というふうにくくっているのは
結局西洋人であり東洋人であり
アーティストたち自身では全くもって無いのである。



アートをアートたらしめているものの正体が分からない。
アフリカにアーティストは少ないようだった。
勝手にそこに価値を見いだした人たちがいて
いつのまにかアーティストになったという経緯が多いみたい。
ゲイジュツって何でしょうね。


ギャラリートークの前にひとりで鑑賞してるときに
3人の親子が鑑賞していて、
おとーさんとおかーさんが
「これがゲイジュツなのか〜...」
「ゲイジュツってむずかしいね〜」
て語ってた。
彼らの発する「ゲイジュツ」という言葉が
ゲージュツではなくてちょっと皮肉にはっきりと発音された
「ゲイジュツ」だったことがなんだかちょっとおもしろかった。


多くのアフリカの作家の作品に
ゲイジュツとしての価値を見いだしたのは、アフリカの人ではない。
ただの職人だった人の作り出したものに
だれかが勝手にアートとしての価値を見いだし
彼らはいつの間にかゲイジュツ家になってしまったのだという。


結局構図は植民地時代と変わらないのではないかと思ってしまった。
たしかエントランスのところに今回の展覧会の概要が書いてあって
「各地を巡回している展示で、日本での展示は非植民地国として初めて」
みたいなことが書いてあったと思うんだけれども、
日本はアフリカを植民地支配していないけれども
結局現在は植民地ではないけど、
アパルトヘイトだってほんの10年前の話、
世界ってそんなに急激に変わるものでもない。


もう1回くらい
観に行きたい。
また違って見えてくるものも
あるのではないかと思う。