自殺サークル


園子温監督の「自殺サークル」を観た。
紀子の食卓を観たので、観たくなって。
紀子の食卓とは違ってこちらは
ちょっと安っぽいホラー映画って感じになってたけど。


中学生がでてくるんだけど、
撮影に使われている学校が、
多摩市の廃校になった中学校だと思われる。
青い春とおんなじ学校じゃないかな、違うかな。


そんなに期待していたわけでもないので
べつにうーんという感じだけど
でもやっぱ54人が同時に列車に飛び込むっていう設定は
ものすごく衝撃的だよなあ。
確かにそうなの、年間何百人も飛び込んで死んでいるけど
ひとりで飛び込んだって絶対話題になんかならないもんね。
なんだよこの野郎、死ぬときまで人様に迷惑かけやがって
って思われるくらいです。
実際に54人飛び込んで、こんなふうに血しぶきがあがるのかは不明だけど
あと全員死ねるのかどうかとかも疑問だし
列車は脱線しないのかとか難癖つけようと思えばできるけど
まあだれもいまのところやったことないから、
実際どうなるかなんて誰にもわからないのです。


紀子の食卓における、この自殺の解釈は、おもしろかった。
自殺クラブは存在しない
のに、毎年これだけの人が飛び込んでいるのだから
この世の中の方がよっぽど自殺クラブなんじゃないの?
そもそもそうやって集団としてカテゴライズすることになんの意味があるの?
っていう小気味よい皮肉。


いやあ、もっかい紀子の食卓を観たい。
DVD買おうかな。
自分がどのへんで泣いたのかもう思い出せないし
もっかいちゃんとはじめから観たいのだ。


映画を見てものすごく泣いたくせに
映画の中の世界に飲み込まれたというわけでもなく、
なんだろ、すごく客観的にこの映画を見ていた。
泣いているときに、こんなに泣いたら出れないや、
そろそろ泣き止まなきゃ、と思ったり、
なんか外側にいる自分をずっと感じていた。
こんなにのめり込んでみていたのに、変な感じ。


ふう、見たい映画がいっぱいあるんだった。