少女とガソリン


スズナリで見てきました
少女とガソリン


小さい劇場だからずっと同じ場所の話だけど
テンポとか演出が絶妙だから
まったく間延びしないで観れた。


部落差別的問題を孕んでいて
そういう、誰かを差別している事実を、
正直ニュータウン生まれニュータウン育ちの自分は
ものすごく遠い世界の事のように感じてしまう。


差別する側が持っている偏見の壁と、
差別される側の、お前らにはどうせわからないという壁と、
2種類の壁が重なる事によって、より見えない壁は厚さを増してゆく。


誰かが狂気めいたことをして、
そういう瞬間こそ、
差別が浮き彫りになるのかもしれないと思った。
誰でも犯罪者になりうる危うい部分を持っているのに
そういう差別を受けている人が犯罪を犯した途端、
「やっぱりあいつらは野蛮だ」
と、誰もが罵るのだろう、
そして差別する自分を正当化するのだろう。


差別は無くならないだろう、
人は誰かと比べて優越感に浸りながら生きていて
ちいさいコミュニティでそれが無くなったとしても
きっと今度は地球規模で、あの国の奴は野蛮だから、と
誰かが誰かを差別し続けるのだろう。


森さんのドキュメンタリーに触れるまで、
日本の部落差別に対する知識なんて皆無で、
同じような間取りで貧富の差も大きくなく、
ものすごい金持ちも貧乏もいない
生温い街で生まれ育った事を痛感した。


どこかで起こっている話、
今もどこかで行なわれている話、
でもどこで?
私も被差別部落に生まれていたら、
卑屈になっていただろうし、
被差別部落のそばに生まれていたら
差別していたのだろう、慣習の問題、
きっとそれだけの事だ。