ひめゆり


地元のホールで、戦争のドキュメンタリーを見た。
ひめゆり


この時期になると、戦争をテーマにした
長編ドラマとか映画とか、たくさんやるけど、
ドキュメンタリーで、本当に体験した人が、
身を絞るような思いで、必死に語る真実は、
それはそれは壮絶なもので、今まで聞いたどの話よりもひどかった。


10代の女の子が、
穴を掘ったり、荷物を運んだり
ひっきりなしにやってくる、重傷の兵隊の手当をしたり、
傷に湧く、うじをとったり、切断した腕を始末したり
それこそ遺体の処理をしたり
薄暗い、壕のなかで、横になる場所もなく、
立ったまま寝て、ふらふらになるまで働いて、
爆撃を受けて、腕とか首とか脳とかが
あたり一面に飛び散る様子を目の当りにして。


いまのこどもたちに、そんなことできるかな、
お国の為になんて、きっと絶対働けない、
もちろん生まれた時代が違うだけの話なのかもしれないけど、
私だってその時代に生まれていたら、そうしていただろうし、
鬼畜米英に辱めを受けて嬲り殺されるくらいだったら
榴弾の線を抜いて、自決していたと思う。
私の性格だったらきっとそうしていたと思う、
教育ってものすごい影響力だと思う。


そんな平成の教育現場の教科書から、
沖縄で自決したのは個人の意志であって、
政府がさせた訳ではないから不適切だと言って、
集団自決の記述を消したらしいよ、平成の日本政府は。


文字を消したからといって、歴史の事実が消える訳じゃないし
そうやってうやむやにして風化させていくと
歴史を学ぶ意味が無くなっていくと思う。
テストでいい点を取る為に勉強しているのか?
受験にでないところは関係ないのか?
過去の過ちを学んで、未来に繰り返さないように
そんなために歴史を学んでいるんじゃないの?
でなきゃ、歴史を学ぶ根本が意味のない事じゃないか。
鬼畜米英をうたった戦中の教育が
沖縄の集団自決という悲劇を招いたんじゃないのか。


沖縄が、日本じゃなかった時代とかあって、
でもきっと、いまの若い子は知らないと思う。
私だって、そんなにちゃんと知っている訳じゃないし、
本の学校で学ぶ歴史は、鎌倉室町安土桃山江戸明治、
大正昭和なんて駆け足だし、近代をちゃんと学んだ記憶なんてないよ、
なんせテストに出ないし。


学校で学ぶ事なんてたかが知れているし、
ほんとに知りたかったら、自分で本を読むなりなんなりして
自発的に勉強しなきゃなにも学べやしない。


もうすこし、学校の教育に、期待させてもらえたりしないものなのかしら。


外に出たら、晴れてた。
暗いくらい防空壕のなかで、
結局ほとんど太陽を見ないまま
爆撃で死んでいったたくさんの人がいて


この晴れた太陽の下で、
笑って暮らせる自分は本当にしあわせで
泣きたくなってくる。
(けどもう映画で泣き過ぎで涙も出やしねぇ。)