マンガは芸術だ


雨のなか、上野まで。


井上雄彦 最後のマンガ展


入場制限のある展示で、
事前に入場時間ごとのチケットを買わないと観れない。


チケットを買っていても、入場まで30分くらい並んだ。


全館書き下ろし。
マンガは通常、雑誌か単行本の決まった用紙に最終的に収められるけど、
大きさを気にしないで、でっかいキャンパス一面に、武蔵。


圧倒的な、黒と白。
マンガって、こんなにも芸術的なものなのか。
絵の美しさと、構図と、空間と、ストーリーと、
様々なものが3次元の空間に現れて。


どの漫画家にでもできることでは決して無くて、
井上雄彦だから表せた、世界観。


筆の線は、すべて井上さんが描いているらしい。
アシスタントは、細かい線とか、ペンの部分だけらしい。


圧倒的だった。
絵画よりも、ストーリーがある分、空間に染み出てくるような、
最後には、漫画の世界に、誰もが同化してしまう、
これは漫画家だからこそ出来た表現だなと思った。


白い紙を、コマ割りをして、如何に効果的にストーリーを構成するか、
どういう構成が一番主人公の心情を表現できるか、
日々考えている漫画家ならではの、空間だった。


あー、かっこいい。
バガボンドを、読み返そうと思った。
ストーリーを追うというよりは、
じっくり一コマ一コマの芸術をもっと堪能しなおしたいと思った。


そういえば、
私が高校でもバレーボールをしていたのは、
中学を卒業した春休みに、
スラムダンク全巻を読破し、
「あー青春とはスポーツだ!」
と、意味の分からないことを思ってしまったからなので、
井上雄彦は私の人生を左右した人の一人なのでした。


人生はそんなちょっとしたことで、
大きく変動するのだか不思議だ。