深夜の奇襲

なんだなんだこれはいったいどういうことだ!?
深夜2時30分を過ぎたあたりから、何かやけに部屋が騒がしい。
電気にバチッバチッと何かが当たる音がする。
小さいカナブンかなにかが部屋のなかに入り込み、電灯に向かって
体当たりを繰り返しているのかな、とはじめは気に止めもしなかった。
しかし、いっこうに音は止まない。
うるさいなあ、なんだよ、と思い、顔を上げると
部屋の電気の傘のまわりを20匹以上の羽アリが飛び交っているではないか。
えええっ!?
確かに5分ほど前から部屋のふすまは全開だった。
そして、明かりのついている部屋は私の部屋だけである。
だからといって、今日一日中家にいたけれど、1匹も羽アリなどいなかったはずなのに。
しかも放っておくうちに、羽アリの数がだんだんと増していく気がする。


深夜2時45分、戦闘開始!


戦闘といっても、電気に向かってばんばんと当たっていく羽アリが
勝手にどんどん床に落下してくるので、その落ちてきた弱っている羽アリを
ティッシュで1匹ずつ潰す、というひたすら地味な地上戦である。

  つぶす
  つぶす
  邪念を捨て
  ひたすらつぶす

恐ろしいことに確実に敵をしとめているはずなのに
空中を飛び交う空軍の数はいっこうに減らないのである。
羽アリって分裂して増えるんだったっけ?
どこかから飛んできている気もしないのに、常に20匹ほど
宙を舞っているのである、末恐ろしい。


3時、Banによる奇襲、「ベビーパウダーの舞い作戦」決行


しばらくすると徐々にだが、空軍にも影響が出てきた。
しかし、依然としてたくさんの飛行隊が空中旋回を続けている。


3時5分、再びBanによる攻撃「白いワルツ作戦」決行


大半の羽アリは落下し、私の手によって、殺されることとなった。
戦いは終焉を迎えた、かに見えた。


4時、偏頭痛、発病


まさかのBanによる後遺症である。
敵は確実にしとめたものの、こちらも相当なダメージを食らってしまったのである。




戦いで得た教訓

  • 戦いは得るものよりも確実に失うもののほうが大きい
  • 勝者も敗者も、共に傷付く
  • 戦争反対、平和的解決が好ましい

Banが劣化ウラン弾だったら、きっと私も誤爆で死んでいるのです。