街を歩く


特に目的もなく、街を歩く。
時間も気にせず、街を歩く。
携帯の地図片手に、街を歩く。
こんな世の中だから道に迷うこともなく、
路頭に迷ってるとしたら人生のほうだけだ。


ただただ歩いていると
日々のことがぽつりぽつりとどうでも良くなる。
現実逃避、と言ってしまえばそれに近いかもしれないけど
こんなに簡単に逃避できるならしめたものである。


春が、街を襲っている、少しずつ。
梅の白い花、桜の大きなつぼみ、
でも桜が満開にならないと、本番じゃない感じ。
あちらこちらで春の予行練習が始まっている。


散歩って、無駄なことだろうか?
目的のないことって、無駄なことだろうか?
目的のためだけに何かをすることの虚しさには
ずいぶん前に気がついていたはずなのに
ときどき忘れてしまうことがある。


無駄なことこそが、人間らしさというものなのでないかと思う。
人から無駄を省いたら、ただのロボットだし、
っていうかロボット以下だし、意味がなくなっちゃう。
休日にだらだらして後悔したり
ついついくだらないテレビを何時間も見ちゃったり
ロボット的観点からすれば「無駄」にしか見えないことの中に
個性が生まれ、人間らしさというものがあるような気がした。


散文的に歩きながら、ぽつりと考えたこと。
無駄な時間を正統化したいだけの言い訳でもある。 

今日の一冊
恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。 (ブルームブックス)


3つとも、私に足りてないものですなぁ...