コレクター

上野へ若冲を観に行きました。
プライスコレクション
プライスコレクションってことは
すべてプライス氏の所有物。
ぎょうさんあつめはったなあ、
すごい所有欲、すごいお金持ち。


でも会場をまわっていて、
コレクターの気持ちがわからなくもないと思った。
ガラスケースの前に溢れるヒト、ヒト、ヒト...
人ごみ嫌いの私にはうんざりするような光景。
たしかに手に入れたコレクターは
自分の所有物を
すきなときに
すきなように
すきなだけ
ながめることができる。


ガラスのむこうではなく
間近で、時に手に取って。


今回の展示ではプライス氏の意向により
一部の展示で光の当て方に変化を付けている。
「日本美術を鑑賞する際、光の果たす役割は非常に重要である」
というのがプライス氏の持論。
光の具合に応じてその表情を変える
作品の魅力を最大限に引き出す為に
できるだけ自然光に近いように
照明に変化をつけてある。


かすかな光を浴びたときの
金の屏風の輝きと
朝の強い光を浴びたときの
しろく鈍い輝き、
光の角度に応じて、屏風の光る面に変化が出、
陰影とともに深い美しさが構成される。


ガラス越しでは、決して伝わらない美しさ、
美術館の均一な無機的な光では
決して感じることのできない美しさがそこにはあった。


コレクターの気持ちが
少し解った。
作品を、一番いい状態で自由に鑑賞できるのは
所有者だけの特権。
自分の好きな作品を好きなように鑑賞するには
莫大なお金が必要なのだということを痛感。


となるとゲイジュツってやっぱり
オカネモチのための娯楽?