トランジットルーム


引き続き本日2本目の演劇を観に三茶へ。
現代能楽集III「鵺/NUE」


私はこの作品のリーディング講演も観に行ったのだけれど、
やはり役者が台本片手に動き回るのと、ちゃんと大道具小道具が
配置されているのとでは、観てる方としても見応えが違うと思った。


この現代能楽集という企画は、世田谷パブリックシアターの芸術監督である
野村萬斎氏が監修しているもので、能の作品を現代劇に還元するという試みのひとつ。
鵺/NUEという作品(の構想)をもとに、空港のトランジットルームという
どこでもない場所を舞台に繰り広げられる過去形の話。
劇中に清水邦夫さんの戯曲の引用が何度も使われており、
鵺のカバーでもあり、清水さんの引用もあり、何重にもかさなった言葉が
巧みに織り交ぜられていく。


私は清水邦夫の戯曲なんて知らないし
かつてあった「新宿」という街についてもよく知らない。
だから正直どこからどこまでが引用なのかはよくわからなかったし、
劇中劇の意図するものがなんなのかというところにまで思考が及ばなかった。


もうすこし鵺という能の話とか
清水邦夫の戯曲を知っていれば楽しめたのか、
いや、そういうことでもないのだろうな。


劇のあとで宮沢さんと野村萬斎さんのポストトークがついていた。
萬斎さんの声は本当に良い。
あぐりのエイスケさんが懐かしくてたまらない。