１４歳
ユーロスペースへ。
なんで忘れちゃうんだろうな、
あのころ抱いていた気持ち。
今も同じように抱えることはできないけれど
私にだってあったんだ、
１４歳の頃、もう１０年も昔の話。
リリィ・シュシュのすべて
を観たのはたしか、１８歳の頃、
あれからもう６年も経って、
どんどんど記憶が曖昧になっていく。
１４歳だった頃のこと、あの頃、
一体何を思って過ごしていたのだろう。
１４歳にとって、
親以外に関わる大人なんて限られていて、
教師っていうのはいつだって正しそうなことを言って、
でも、そんな彼らも自分と同じ、
ただの人間なんだということがわかるのは
中学を卒業したあとだったかな。
この映画に出てくる人たちは、
その辺を歩いている普通の人で、
結局のところ誰でも小さい嘘をついたり
自分を誤摩化したり妥協したり諦めたり
やり場の無い憤りを見て見ぬふりしてみたりして。
映画自体の、カメラワークとかは、
印象的なようで逆に違和感というか
このシーン撮るためにはここら辺にカメラをくくりつけているのかな？
と、余計なことが浮かんでしまったので
ちょっとあまりうまくないような気はしたものの、
人のずるさとか、ついやってしまう、しょうもないこととか
１４歳、もう思い出せないけど
あのころ私が抱いていたであろう、
やり場の無い例えようの無い気持ちとか
あの頃教わった先生は今どこで何をしているんだろうとか
そういう、映画とは関係の無い、
自分の１４歳の幻影を
映画を観ながら探していたように思う。
主人公と同じように。
映画自体は、まとまりやストーリーを持っているわけではなく
ピアノの一音一音のように、
独立して奏でられて余韻が残っていく感じ。
何となく切ない、だけどすごくぼんやりしているのは
私がもう１４歳じゃなくて、
あの頃のことを思い出せないからなのだろうか。
