ナンシー


ナンシー関の大ハンコ展


同居人と、その友人と観に行った。
パルコパート1の、6階でやってるって聞いてたのに、
6階に行ったら、ずらっと行列が階段のほうに伸びていて、
最後尾は3階だった。はじめから3階に来ればよかった。


本当にこんなに並んでまで見たいか、
冷静に考えようと言う事になり、
ひとまずカフェでお茶。


1時間半後に、もう一度観に行ったけど、
やっぱり3階まで並んでた。
だけどせっかくなので、並んでみることにした。


ナンシー期、というものがあるらしい、テレビには。
ナンシー以前、ナンシー以後。
ナンシーが消しゴム彫ってたことは知ってたけど、
ナンシーが世間に与えた影響とか、
リアルタイムで全く知らないということを知った。


消しゴム彫るくらいなら、器用な人だったら
努力次第でできるようにはなるだろう、
だけど、彼女の目線で表情を切り取って、
そこには彼女ならではの視線があって、
それは圧倒的な存在だったのだろう。


youtubeで、見逃したテレビ番組を見ることもできるようになって、
人気番組ならすぐにDVDで販売されて、
テレビの力というものが、圧倒的に小さくなりつつある現代において、
彼女が居たら何を想っただろう、
何を彫っただろう、と、メランコリックになってしまうひとが
この国には、たくさん居るのだなということを感じた。


18だった私は、彼女がどんな人だったかを知らない。
そして24の私も、もはや彼女がどんな人なのか、知らない、
残された膨大な消しゴムを、
ただただあんぐりと、眺めることしかできない。